心拍トレーニング メディオは無駄だったという話

半分誤解を招くタイトルをつけてみた。

もちろんメディオは正しく実行できれば有効なトレーニングです。

しかしながら、心拍トレーニングとしてのメディオを正しく実行するのが難しいというだけ。

 

メディオは心拍ベースだと最大心拍の80%程度の強度のトレーニングだとされています。

また、同時に一時間維持できる限界強度ともされています。

この二つの定義が心拍トレーニングでは非常に実現が難しい。

周囲のホビーライダーでローラーを所有している、ある程度やる気のあるグループに聞いたところ、メディオは楽だという人が多い。

そして楽だと言い張る人ほど脚が弱い。

詳しく聞くと、彼らは最大心拍の80%というのを守り続ける心拍トレーニングを実行している様子。

これが無駄なメディオの代表例です。(時間効率的にもっと良いトレーニングがあるという意味で。)

 

なぜ無駄なのか。

それは頭からすっぽりと「一時間維持できる限界強度」というのが抜け落ちているから。

本当に一時間限界であれば、スタート時に最大心拍80%であったとしても、一時間経過後にはもう最大心拍近くまで心拍数は上昇し汗ダラダラのヘロヘロになります。

一方で心拍数80%をキープすると、時間とともに強度は低下し一時間経過後もある程度元気なままとなります。

さらに言えば、多少脚を緩めても心拍数が落ちてくるまで時間かかるので、途中でサボっても見た目には分かりにくいのです。

本来の一時間メディオは終わったときにはもうヘロヘロです。

 

しかし、心拍計のみで一時間維持できる強度というのを判別するのは非常に困難です。

室内の気温や体調でもあっさり心拍数は変動しますし、同じパワーでもケイデンスにより大幅に変動します。

これで一時間維持できる強度を探るというのは無理な話。

なので速い人はハッキリとした目安になるパワーメーターを使うのですね。

パワーメーターは踏めば即座に反応しますし、同様に脚を緩めれば一瞬で下降します。

但しロードバイクの機材の中でも比較的お高めな部類となってしまうのがネック。

最近は25000円程度の中華パワーメーターが出てきましたが、はてさて。

 

効率的だけれども、高額な機材が必要なパワートレーニング。

だけれども、ローラーを持っているのなら実はすぐにパワーメーターを用いたトレーニングと同様のことができる可能性があります。

それは何かと話題のZWIFT。

実はZWIFTは一部普通の固定ローラーも対応しています。

固定ローラーの負荷をZWIFT側で算出し、現在のパワーをZWIFT上に反映、表示してくれるのです。

もし持っているローラーが既にZWIFTに登録されていれば、必要なのはBlueTooth対応スピードセンサーとiOSバイス。もしくはPCとANT+受信機と、ANT+対応スピードセンサー。

実はiPhoneもしれっとZWIFT対応しています。

運がよければ、追加費用ほぼ無しにパワートレーニング始められてしまうのです。

10万以上必要だったトレーニングが一気に身近に。

 

これを知った私は、さっそく前述のメディオ楽グループの一部にZWIFTを始めさせてみました。

するとまぁ一気に速くなる速くなる。

アベレージが上がっただけでなく、ちょっとした登坂もペースを落とさず踏ん張ってクリアできるようになっていました。

ZWIFTはただパワーメーター代わりになるだけでなく、今の力量測定やその結果に応じた長期トレーニングプランなども用意されています。

坂で踏ん張れるようになったのは、トレーニングプランに高強度のインターバルも組み込まれているせいでしょう。もちろんメディオ相当のトレーニングも。

一通りの成果が出始めた頃、彼は言いました。「メディオきっつい」

 

お手軽にパワートレーニングが始められるとは、いい時代になったものです。

手っ取り早く速くなりたい人、ぜひお勧めですよ。